シャクザのアニメ・漫画感想ブログ

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『ラブライブ! スーパースター!!』2期の失敗はライバルの描写不足のせい

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 皆さま、こんにちは。今回は、『ラブライブ! スーパースター!!』2期の話を今さらしようと思います。1期の感想は↓です。

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 スパスタ2期といえば、キャラの扱いの悪さや曲の弱さ、繰り返される同じ展開などで賛否両論を巻き起こした作品です。僕自身、はっきり言って面白くないなと感じました。

 とはいえ、そこら辺の話はすでに散々され尽くしているので、改めてここでは取り上げません。その代わり、そこまで言及されていない気がする本作の問題点を1つだけピックアップしようと思います。

 それが、”ライバルの描写不足”です。僕はこれが原因で、物語の盛り上がりが欠けてしまったのではないかと考えています。

 具体的にはどういうことなのか。それを説明するためには2期のライバル、ウィーン・マルガレーテの話をする必要があります。

 ウィーン・マルガレーテ。一度はLiellaを、そして前回優勝グループをも下し、圧倒的な歌とダンスの実力を持ったキャラでした。

 一方では、ラブライブ大会やかのんたちを馬鹿にする発言も多数見られ、性格面はとても褒められたものではありませんでした。

 高い実力を持ちながらもラブライブ大会を見下すウィーン・マルガレーテ。そんな彼女にLiellaは「本当の歌」によって見事勝利します。

 やった! かのんたちが勝った! お前たち最高だぜ! 本当に良かった〜……とはなりませんでした。少なくとも、僕は「まあ、うん……良かったね」くらいの喜びしか感じませんでした。

 もちろん、かのんたちに負けてほしかったわけではありません。どうしてそんな微妙な感想になったのかというと、やはり前述の通りライバルの描写が不足していたからです。

 そもそも、ラブライブはバトルものです。相手と競い合い、己の力を高めて勝利を掴みに行くわけですから。そして、バトルものには絶対にライバルがいるのです。主人公たちの前に立ち塞がる高い壁となり、勝利をもぎ取ろうとする役割を持ったキャラが。

 バトルものは主人公とライバル、どちらもいなければ成り立ちません。つまり、物語を盛り上げるためには、やはりライバルの描写も必要です。

 ウィーンちゃんは歌が上手い、ダンスが上手い、顔が可愛いと、確かに実力面の描写はMVによってされてたと思います。だから、凄い実力を持っているのは分かります。

 でも、ただそれだけ。どうしてそんなに凄いのか、どうしてラブライブを見下すような態度を取るのか。そういう性格面での掘り下げが全くされませんでした。

 これでは、ただ実力がある性格の悪い人に過ぎません。そんなよく分からない人に主人公たちが勝ったとしても、何も嬉しくありません。

 一応、ウィーンちゃんの掘り下げ自体は行われたのですが、それは彼女が敗北し勝負の舞台から退場した後のこと。あとでこういう事情があったと説明されても、やっぱり肝心の勝負の場面で盛り上がりに欠けたことには変わりません。

 色々な大人の事情があったのかもしれませんが、僕としてはウィーンちゃんの背景を勝負の前に説明してほしかったです。

 確かに彼女の事情を事前に知ってしまうと、ウィーンちゃんは悪役ではなくなり勝ってもスッキリしないかもしれません。下手をすれば、Liellaよりもウィーンちゃんの方に感情移入する人が出てくる可能性だってあるでしょう。

 ですが、そっちの方が絶対に物語に深みが生まれたはずです。少なくとも、ウィーンちゃんを1話に出てくるような薄っぺらい悪役みたいな扱いにするよりはずっと良かったと思います。

 ところで、皆さんはLiellaにはライバルがもう1グループあったことを覚えているでしょうか。そう、Sunny passion(以下サニパのことです。 

 実は彼女たちは、ウィーンちゃんが抱える問題点をちゃんとクリアしていました。スクールアイドル活動を通して島を盛り上げるという立派な動機は、μ'sやAqoursに通ずるものがあって共感しやすかったと思います。

 ですが、やはり彼女たちもウィーンちゃんとは違った方向で、ライバルとして致命的な欠陥を抱えていました。それは、実力描写が全く無かったことです。

 そもそも、1期でもサニパの実力はよく分かりませんでした。まあ全国優勝をしたのですから、すごいのは理屈として理解はできます。しかし、歌やダンスが全く披露されなかったため、どれくらいの実力を持っているのかが実感として湧かなかったのです。

 当時、この点は結構批判されていました。でも、僕はそこまで絶望してはいませんでした。1期の終わり方からして2期は必ずあるだろうし、そこで今度こそサニパの回し蹴り以外のパフォーマンスが見られるのだろうと思っていました。

 まあ結局、そうはならなかったのですが。

 2期でも彼女たちの歌とダンスが披露されることはありませんでした。それどころか、まったく描写されることなくウィーンちゃんに敗北。Liellaとの再戦の機会もないまま、3年生のサニパは引退することになってしまいました。

 さすがにがっかりしましたよ。確かに前回戦って敗北した強敵が、新たなる強敵のかませ犬になるのはよくあります。でも、それはちゃんと実力の描写が為されているのが前提ですし、そうでないと新しい強敵がどれくらい強いのかが分かりにくくなってしまいます。かませ犬にする予定があったのなら、なおさら1期でしっかりと実力を見せておくべきでした。

 ウィーンちゃんの人格描写、サニパの実力描写。スパスタのライバルたちにはそれぞれ描くべきものが描かれておらず、そのせいで全体的な物語が薄くなってしまいました。3期ではこの点をしっかりと補強し、盛り上がれるようなストーリーになることを期待しています。

 今回は以上です!