シャクザのアニメ・漫画感想ブログ

アニメや漫画の感想を正直に書きます

『推しの子』を見る気が起きない3つの理由~~~逆張りではありません

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 皆さま、こんにちは。ゴールデンウィークが終わって、いかがお過ごしでしょうか? 今回は話題沸騰中のアニメ、『推しの子』の話をしようと思います。

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 アニメ【推しの子】メインビジュアル 公式サイトより抜粋

推しの子』は赤坂アカ先生が原作を務める芸能界をテーマに据えた作品です。とは言ったものの、タイトルを見れば分かる通り僕はこの作品をあまり知りません

 いや、正確に言えば少しは知っています。誰が主人公なのか、概ねどういう展開をしていくのか、別に読んだり見たりしなくてもネットを漁れば大体分かるからです。

 つまりですね、僕自身はこの作品に全く興味が無いというわけではないんです。だって本当にどうでもよかったら、情報を集めたりはしないこの記事だって書かないでしょう?

 にもかかわらず、どうして僕はこの話題作を見ようとしないのか。そこには、海よりも深く、山よりも高い理由があるのです。

 ここからは、ほんのりとネタバレを含みながら話していきます。ネタバレされたくないという方はここで読むのを辞めることをオススメいたします。

①お話に興味が無い

 ......はい、もしかしたらこう思った人もいるかもしれません。「お前、ちょっと前に興味があるって言ってたじゃねえか!」と。確かにその通り。初っ端から矛盾したようなことを言ってしまい、本当に申し訳ない。

 しかし、実際のところ矛盾ではないのです。と言うのも僕が興味のあったのは、内容そのものよりもどれくらい評判がいいのかでした。

 勘違いしないでほしいのですが、僕は『推しの子』がアニメ化する前から、この作品に注目していました。僕が購読していた『かぐや様は告らせたい』の作者、赤坂アカ先生が原作を務めていたからです。決してアニメになってから情報を集め出したわけではないことを留意していただきたい。

 果たしてアカ先生は『かぐや様』に続けて名作を産み出すことができるのか? 僕の興味はそこだったのです。

 話を戻しましょう。評判を知るためには、作品のネタバレは避けられません。キャラやストーリーの詳細は分かりませんが、ちょっとネットを駆使すれば大枠や印象は分かります。その上で、イマイチ興味が出ない、少なくとも単行本を買う気は起きないと思いました。

 それはなぜか。まず、僕はこの作品をミステリー物であると思っていました。星野アイが殺され、誰がその黒幕なのかを暴く物語である、と。

 実際、その印象は大きく外れてはいないのですが、思ったよりもその本筋部分に行くことがありませんでした。アイドルだとか、実写化の苦労だとか、芸能界の闇だとか、そういった部分にフォーカスしたり、あるいはヒロインレースが始まっただとか。

 要するに、「思ったのと違う」ってことです。まあ勝手な思い込みだと言われればそうなんですが、僕はもっとダークでシリアスなストーリーが展開されるものだと”期待”していたんです。読んでないくせに

 だから、その時点で物語に対する興味は薄れました。いや、買うほどの興味がなくなったというべきでしょうか。まあネットの情報を集めるだけでいいか、というスタンスに落ち着いたのです。

 アニメについても同様の理由です。僕は一般人に比べれば見る方ではありますが、YouTubeに動画を投稿する人ほどは見ません。他にやりたいこともありますし。

 たとえ世間から高評価を得ていたとしても、一度興味ナシ判定を下した自分の感性に逆らってまで作品に触れる。僕にはそこまでの情熱もないし、またミーハーでもないのです。

②期待度が高すぎる

 本作の一話は衝撃的でした。90分という、ドラマの初回スペシャルを彷彿させる長尺は当然話題になり、またその非常に高い完成度から絶賛の嵐でした。中には、歴代最高の一話だったと評価する人もいたくらい、とんでもなかったそうです。

 もちろん僕は見ていないので、実際のところどれくらいのものなのかは分かりません。でもまあ、大多数が褒めちぎるということは、ほとんどの場合面白いのだと思います。

 ただ……正直言ってそこまで絶賛されると、その面白さの”ハードル”が滅茶苦茶上がってしまいます。

 というのも、僕はアニメを見るときには基本的にそこまでの面白さを求めてはいないのです。別にお金を払っているわけではないのだし、多少つまらなかったとしてもちょっとした面白さがあれば見続けています。2023年春アニメでは、『マッシュル』が当てはまるでしょうか。

 要するに、70点くらいの面白さがあれば充分なんです。――そう、基本的には

 前評判が高いアニメともなると、話はまた別です。「面白いんだろ? 傑作なんだろ? そこまで言うのなら並大抵のモノじゃ満足できねえぞ」と、そう思ってしまうのです。別に戦うわけでもないのに、なぜかファイティングポーズを取ってしまうわけです。

 例えるなら、ファミレス一流レストランの料理でしょうか。

 僕たちは普通、そこら辺にあるファミレスにそこまで過剰な期待はしません。それは、料理の値段が大して高くなく、お手軽に行けるからです。

 一方、一流レストランには滅茶苦茶期待を寄せるはずです。予約しないと行けないくらい敷居が高いし、料金も馬鹿にならないほど高い。期待しないはずがないでしょう。

 それぞれの期待度を、前者は70点、後者は90点としましょう。その期待度を表した数字を超えれば、当然満足できるはずです。

 この期待度こそが重要な部分なのです。もし、お互いの料理が同じ点数――80点を叩き出したとして、その意味合いは大きく変わります。70点の期待度を超えているファミレスでは、期待以上の味だったために満足感は高くなりますが、90点の期待度を下回ってしまった一流レストランでは、どこか物足りなさを感じるはずです。

 要するに一流レストランが『推しの子』であり、ファミレスが一般アニメです。長々と例え話をしてしまいましたが、これで僕の感覚がなんとなく理解できたのではないでしょうか。

 ただ、評判が高いものは期待度も上がりやすくなるとはいえ、大抵はその高いハードルを超えてくることが多いと思います。だから、期待度が高いことが『推しの子』を見ない理由になるとは言えません。――そう、基本的には(二回目)

 なぜ見ないのか。それは、僕は世間で流行ったもの――作品の名前には触れませんが――に安易に手を出し、そして手痛い失敗をしたからです。その作品も『推しの子』と同様、薄い興味関心のまま、ただなんとなく見ただけでした。結果、世間で言われるほど面白いものとは思えず、僕は半ばアンチのような存在へとなり果ててしまったのです。

 僕はアンチにはなりたくありません。確かに僕が書いたものは結構批判的な記事が多く、ぶっちゃけほぼアンチ記事です。だからこそ、世間一般的に流行しているものに不平不満を言い続けるのは疲れることだと知っています。だって、どれだけ面白くない理由を述べようが、その作品は話題になり続けて嫌でも目にすることになりますから。

 だったら、最初から見ない方がいい。本当に興味のあるものに触れ続けた方がよっぽど健全なのです。まあ批判記事は今後も書き続けるけど。

赤坂アカ先生に対する不信感

 さて、僕は1個目の理由で赤坂アカ先生の話題を出しました。アカ先生が『かぐや様』の原作をやっていたから『推しの子』の情報を集めるようになった、と。あの名作の産みの親ならばきっと面白い作品を描くのだろうと、そう思ったわけです。

 しばらくして、『かぐや様』は最終回を迎えました。全28巻という長期連載の末、ついに完結したのです。僕はその最後のページを読み終え、単行本を閉じて本棚にしまいました。

 そこには、色々な歴史があります。発売日をチェックし、わざわざ当日に買ってすぐ読み始めた思い出。ベッドで寝転がりながら、お腹を抱えて笑い転げた思い出。全てがそこに詰まっていたのです。

 そんな記憶を掘り起こしながら、僕は『かぐや様』に最終的な評価を下したのです。

 

「なんだかなぁ……」

 

 これで終わりなのか、嘘だろ、と思いました。たまに、「もっと続けてほしかったなぁ」という感情を持つ作品はありますが、僕が『かぐや様』に抱いたものはそんなポジティブなものではありませんでした。言葉を選ばずに言えば、僕は失望したのです。

 具体的なことはここでは書きません。一言で言うなら、色々な要素を回収しないまま最終回を迎えたということです。いわゆる伏線未回収で終わったというやつです。

 もちろん他の漫画でもそうした終わり方をしたものはあると思います。けれど、少なくとも僕が読んできた漫画ではここまで消化不良で終わったものはありませんでした。 

 僕の期待は綺麗に裏切られ、今までの美しい思い出がまるで偽りのように感じられたのです。こんな終わり方をすると知っていたら、僕は間違いなく購読することはなかったしょう。

 僕の失望は作品そのものから、やがて作者である赤坂アカ先生に向かいました。そして、不信感が芽生えたのです。

この人の作品は全て消化不良で終わるのではないか」という不信感です。もうお分かりでしょう。僕は『推しの子』に対しても同じことを思ったのですよ。

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ebook Japan かぐや様は告らせたい 第1巻

推しの子』は今のところ結構好評です。漫画はともかく、アニメの方はかなりの勢いが出てると思います。でも、これって実は『かぐや様』と同じ現象なんです。『かぐや様』も同じように、序盤は褒められていたわけですから。

 たとえ最初の方は良くても、その勢いが最後まで続くとは限らない。未来のことなんて分からない以上当たり前のことですが、僕はそれを強く実感しました。漫画家さんは決して神ではない、普通の人間だということも。

 もちろん、アニメの面白い部分だけをつまみ食いするという手も考えられます。が、僕の性格上それは無理です。世間の流行と自分の好みがマッチしたら、僕は迷わず原作を買ってしまうからです。普通に続きも気になるしね。

 消化不良で終わるかもしれないものに、僕は触れる勇気がありません。情報を集めはするけれど、最終回を迎えない限りおそらく『推しの子』の漫画やアニメに触れることはないでしょう。それほどまでに、僕は深い絶望を味わったのだと理解していただきたいのです。

終わりに

 最後になりますが、僕は別に『推しの子』のアンチではありません。まあ、盛り上がってても盛り上がらなかったとしても、どっちでもいいです。だって、別に観賞して何かしらの感想があったわけではないですし。

 全盛期の『鬼滅の刃』くらい盛り上がったらさすがに鬱陶しいと感じると思いますが、そこまでのブームになることはまずないでしょう。なので、おそらくこれ以降は不干渉を貫くことになります。

 え? 長々と文章を書いといて「どっちでもいい」は嘘だろって? うーん、確かに言いすぎだったかもしれません。

 

 ただ――僕は知ってほしかったのです。このアニメを見ない理由が、決して逆張りアニメオタクの厄介な気質のせいではないということを。

 ……本当だよ?

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