『わたしの幸せな結婚』評価︎︎︎ ☆☆☆ シンデレラストーリーは肌に合わないと実感させられたけど良作
広告
皆さま、こんにちは。今回は以前ここで予告しておいた
『
いや、正直見るのが結構億劫でした。
まあやることも無かったし結局は見たんですけど。で、
悪役が薄っぺらい
まず思ったよりもシンデレラでした。意地悪な母と妹に虐められ、
まあ話自体は王道だし悪くはないと思います。
ただ、
なんというか、
だって、60点の人生が80点になるよりも、20点の人生が70
なんでかっていうと、姉、母、父、
もちろん他の作品にも悪役!って感じの悪役はいっぱいいます。
この作品の悪役にはそれがありません。
このせいで物語への没入感が無くなり、
と、ここまで結構酷いことを言いましたが、もちろん良い点も存在します。
幸次と薄刃新
この2人の存在が、僕が『
幸次は主人公のことが前々から好きだったのですが、家の意向によって主人公の妹である香耶と結婚することになってしまったキャラです。やや弱々しくて頼りない雰囲気を醸し出しているので、女性からすればあまり魅力的ではないかもしれません。
しかし、僕は結構好きです。特に好感が持てたのは、主人公が連れ去られたときに起こしたときの行動です。彼は主人公を助けるため、主人公の旦那である清霞に力を貸してほしいと頼み込んだのです。
僕はこの行動は本当に尊敬に値すると思っています。考えてもみてください。彼だって本当は自分の力だけで助けたいはずなんです。ドラマチックに主人公を助け、カッコいいところを見せたいはずなんです。
でも、彼には分かっていました。自分にはその力が無く、主人公を助けられないと。だから、恥を忍んで、プライドを捨ててまでも清霞に助けてほしいと頼み込んだのです。自分がカッコつけるよりも、主人公の安全を優先させたのです。
これがどれだけ幸次に屈辱的なことなのか分かりますか? ドラマチックな救出劇によって主人公カップルの仲がますます深まることを分かっていながら、それでも彼はその選択をしたのです。きっとやるせない気持ちでいっぱいだったはずです。
世の女性には共感できないかもしれませんが、これこそが真のカッコよさだと僕は思います。僕的には、自分の弱さを自覚しながらやれることを精一杯やった幸次の方が清霞よりも何倍も魅力的でした。
また、薄刃新も結構好きです。
彼は今まで役割を与えられず、自分の存在意義を見出すことができませんでした。そこで初めて主人公を守るという使命を与えられ、自分の存在する意味を持てたことに歓喜します。
正直、カッコいいとは思いません。主人公が大事なのではなく、主人公を守るという使命に固執している時点で彼が大事なのは結局のところ自分自身なのですから。
しかし、この人間臭いところがいい味を出していると思います。ただただ虐めるだけの主人公の妹や母とは違い、しっかりと人物が描かれどこか共感できる部分が存在する。悪役(といっていいかは微妙ですが)でもこういう風に描写されれば、作品に深みが出てくるのです。
総評
全体としてややお粗末な部分はあるものの、絵の綺麗さや少しだけ出てくる深みを持つキャラなどの良い点を加味すると、充分に良作と言えます。正直、僕は凄い面白いとは思いませんでしたが、女性の方ならばおそらく楽しめるのではないでしょうか。
漫画版もありますので、興味のある方は⇩のリンクで試し読みをしてみてください。