ハッピーエンドが存在しないゲーム『ハッピールートを終わらせて』
皆さん、こんにちは! シャクザです! 今回は『ハッピールートを終わらせて』というゲームをクリアしたので、語っていこうと思います!
まず感想から言いますが、メッチャ面白かったです!! こんなに面白いのにあまり話題になってないのがおかしいし、これだけ楽しませてもらったのにただプレイするだけで終わるなんてなんか味気ない……!!
だからぜひ多くの人にやってほしい、そうでなくとも『ハッピールートを終わらせて』の存在を知ってほしい! そう思い、筆を執ったわけです!!
目次⇩です。気になる項目をクリックorタップしてみてください。
『ハッピールートを終わらせて』とは
まず、このゲームがどんな作品なのかを一言で表すなら『死の運命を変えるために足掻く』ゲームです。死んでしまったヒロインたちを助けるため、時を遡って(厳密には異なるが)運命を変えていく。
ときには主人公を気にかけてくれる幼馴染を、ときには生意気な後輩を、ときにはチョコを食べまくる同級生を助けるため、困難に立ち向かっていきます。


……うん。なんとなく言いたいことは分かりますよ。なんかどっかで聞いたことあるなって言いたいんでしょう? まあ確かにそうです。ヒロインたちを助けるために時を遡るなんてぶっちゃけありふれてますよね。
だから、『ハッピールートを終わらせて』の独自性を語っていこうと思います。
『ハッピールートを終わらせて』の独自性
主人公『赤羽氷河』は二つの能力を持っており、その一つに『選択肢を見ることができる能力』があります。

『運命が変わる瞬間』に⇧のような選択肢が主人公の目の前に浮かび、選択肢のうちどれか一つを選択することでその通りに動くことができる――そういう能力です。正しい選択肢を選べば運命を変えることができるため、非常に強力な能力なのですが――。
しかし、裏を返せば。間違った選択肢を選ぶと悲惨な運命が待っているということです。ちなみに公式は選択肢が出る場面を『運命が変わる瞬間』とぼかしていますが、正確には他人の生死が掛かった場面のことを言います。つまり、間違った選択肢を選んでしまうと遅かれ早かれ他人が死んでしまうのです。
さらに言うと、先ほど『選択肢を選ぶ』と言いましたが、実は選択肢を選ぶことはできません。なぜなら、正しい選択肢が何らかの理由で封じられてしまっているからです。

もっともっと言うと、先ほど『選択肢のうちどれか一つを選択することでその通りに動くことができる』と言いました。が、これは逆に言えば『選択肢通りに動くしかない』ということ。一度選んでしまえば、間違った選択肢であってもその通りに動かざるを得なくなり、他人を死なせてしまうのです。
そのため、主人公は正しい選択肢――『真選択肢』を取り戻すべく行動し続けるというわけです。
二つ目の能力は、『未来の記憶を過去の自分に届ける』能力。未来で集めた有益な情報を過去の自分に渡し、それによって自分が選ばざるを得なかった間違った選択肢を過去の自分が選ばないようにする、というわけです。
『真選択肢』を取り戻すための情報収集ってわけですね。

まとめると、未来で集めた情報を過去の自分へと届け、過去に誤った選択をしてしまったことで招いた“他人の死”という運命を回避する、ということ。これが、『ハッピールートを終わらせて』の根幹部分となります。これで独自性があることが分かったのではないでしょうか。
……ではもう一つ。『主人公』と『プレイヤー』の話をしましょう。
『主人公』と『プレイヤー』
ほとんどのゲームには、『主人公』、そしてそのゲームをプレイするために『主人公』を操る『プレイヤー』が存在します。それ自体は当たり前のことです。
この『ハッピールートを終わらせて』も例にもれず『主人公』と『プレイヤー』が存在しますが、少し意味が異なります。それは、ゲーム内でも『主人公』と『プレイヤー』の概念が認知されているということです。
『主人公』である赤羽氷河は自分が『主人公』であることを認識し、自分を操作している(少し意味が違いますが)『プレイヤー』が存在していることも分かっているのです。

しかも、これらの事実が判明するのは超序盤。普通、こういったメタ的な仕掛けは終盤のどんでん返しに使用するものなのですが、『ハッピールートを終わらせて』では当たり前の前提として組み込まれ、物語が展開していきます。『主人公』と『プレイヤー』がこの世界に存在することで多くの登場人物に深い影響を与え、彼らの人生を大きく変えているのです。
『選択肢』と『未来視』、『主人公』と『プレイヤー』。一つだけでも物語になりそうな要素が複数組み合わさったゲーム――それが『ハッピールートを終わらせて』なのです!
『キャラクター』
さて、独自性を語りましたが、ここで少しとっつきやすい話――キャラクターの話に移りましょうか。なんだかんだ言っても、どんなキャラが出てくるのかの方が気になる人もいる気がしますので。
まずはセオリー通り主人公の話をします。そのあとでヒロインやそれ以外の登場人物を語っていきましょう。
メインキャラ
『赤羽氷河』
先ほどから話していた『主人公』です。幼少期から選択肢を見ることができる能力を持ち、その能力で人を救うべく奔走していたものの、誰一人救うことができなかったために無力感に苛まれ、現在の彼はかなり捻くれてしまっています。
さらに周囲からは『死神』と呼ばれて蔑まれ、孤立を深めています。

実際のところ、彼はかなり問題があります。悪人というわけではなくむしろ善人であり、人を救うために必死になって行動するのですが、赤羽氷河の問題点はそのやり方にあります。人を救うためなら手段を選ばないのです。
手段を選ばない――これは文字通りそのままの意味です。ここでは詳細は述べませんが、あなたの想像以上に手段を選ばない主人公だと思います。おそらくドン引きするレベルで。
その結果、たとえ自分が肉体的、精神的に傷つくことになろうとも一切気にしない。それが救えなかった自分への罰なのだと言わんばかりに、自分を全く大切にしないのです。その行き過ぎた自己犠牲精神は痛々しさすら感じてしまいます。
そんな赤羽氷河が死の運命を変える過程でどんな経験をし、どう受け止めていくのか。ミステリー要素もありますが、これが一番の見所だと思っています。
『紙島亜由乃』
主人公の幼馴染。一言で言えばメチャクチャ優しい女の子です。先ほども言った通り、主人公である赤羽氷河は評判が悪く周囲から孤立しているのですが、紙島亜由乃ちゃんはそんな彼に唯一親身に接してくれる……本当にいい子なんですよね。
でも主人公は捻くれ者だから、そんな彼女の純粋な好意を全然受け止めてくれない……こんな可愛い子に好かれているのに贅沢な奴だよ全く!
……そんな彼女の死の運命を変えることが『ハッピールートを終わらせて』の物語の根底となっています。

根底というだけで察する人もいるかもしれませんが、紙島亜由乃は超序盤で死にます。そして、物語の構成上かなり長いこと出番がなくなってしまうため、他のヒロインと接するようになることもあり印象が薄くなってしまう……と危惧してたんですが、最終的には、やっぱり紙島亜由乃こそがメインヒロインだったんだなぁとしみじみ思いました。
他のヒロインが出番を増やしてヒロインポイントを稼いだ後に、それらすべてをごぼう抜きにするメインヒロインっぷり……! ぜひ堪能していただきたいですね!
『天笠麗羅』
後輩。⇩のキャラ絵を見たら分かる通り、かなり強気で高飛車な性格をしているなかなか面白いヒロインです。だから友達も少ないんだけど。

『現主人公』である赤羽氷河の前の主人公――いわば『元主人公』を兄に持つ女の子です。そのため、『主人公』がどういう能力を持っているのか把握しており、赤羽氷河の相棒として紙島亜由乃を救うべく行動を共にしています。
この子も本当に良い子! 紙島亜由乃が死んで絶望していた赤羽氷河が立ち直らせたのはこの子のおかげだったので、天笠麗羅がいなければこの物語は生まれなかった――それくらいのキーパーソンでした!

主人公の問題のあるところもはっきりと否定してくれるし、それでいて味方がほとんどいない主人公を頑張って庇ってくれるしと、ヒロイン感も半端ない……一瞬彼女こそがメインヒロインなんじゃないかって錯覚しちゃうほどでしたよ!
そんな彼女にも心の奥底に隠された問題があり――。『元主人公』を兄に持つからこその苦悩に天笠麗羅がどう立ち向かい、またそれを知った赤羽氷河がどう接していくのか……これも見所ですよ!
ちなみに公式のキャラ紹介だと横向いてるけど、僕は正面顔が可愛いから好きです!

『花咲来歌』
あだ名はクルル。前の二人が大人しかったり強気だったりする中、クルルは見た目通り明るくて友達も多い女の子――いわゆるギャルっぽいヒロインです。

ただ、友達自体は多いんですが、この『ハッピールートを終わらせて』の登場人物たちとの関わりは薄めで、登場自体もかなり唐突……まあ実は登場自体はしてるんだけど。なので彼女がメインになるシナリオは外伝っぽい雰囲気になります。少し言ってしまうと、めっちゃギャグっぽい始まり方になります。初見のときは雰囲気が変わりすぎて笑っちゃいました!

でも、それで終わらないのが『ハッピールートを終わらせて』。クルルがなぜこんなふうになってしまったのか……想像以上にシリアスな理由が隠されていて、ギャグっぽい雰囲気がどんどん変わっていくところがあまりにも落差があって辛かったですね……。

ちなみに余談ですが、Xやサイトをざっと調べてみたところ、クルルはかなり人気があるみたいですね。まあノリが良くて可愛い上にもちろんシナリオも面白いしスタイルもいいしで、僕もかなり好きなヒロインです!
唐突に登場するから最初は「なんだこいつ……」みたいな気持ちになると思いますが、最終的にはハートをがっちりと掴まれること間違いなし! 僕が保証します!!
『夜龍院瑠衣』
生徒会副会長。高校三年生とは思えない幼くて可愛らしい容姿をしていますが、副会長らしい威厳を持った女の子です。カリスマ性もあり、多くの生徒から慕われています。

……ぶっちゃけ彼女のことはめっちゃ好きなんですけど、なぜ好きなのかを語ろうとすると完全にネタバレになっちゃうからここには書けないんですよね……。ああ歯痒い!!
まあだからといって何も語らないというのもアレなので言わせてもらうと、僕は夜龍院瑠衣がヒロインだとは思ってなかったんですよね。確かにキャラデザは気合入ってるなとは感じてましたが、主人公やヒロインを取り巻くサブキャラなのかなとばかり……。というか、ここまで重要人物だとは思わなかったなぁ……。

でも公式サイトを見ると、主人公や他のヒロインとちゃんと扱いが同等だったんで、これは僕の目が節穴だったんでしょうね。いや、僕は公式サイトよく見ないで『ハッピールートを終わらせて』を買っちゃったんで、マジでほとんど前情報なしだったんですよ!
本当に話せることがないので、彼女の物語はぜひ自分の目で確かめてほしいです! 他のヒロインに負けないくらい面白いし可愛いので!
サブキャラ
以上がメインキャラですが、もちろん他にもキャラはいます。さすがにメインキャラほどは説明しませんが、せっかくなので公式サイトにはいないキャラも紹介していこうと思います。
『天笠耀』
元主人公。ヒロインの1人、天笠麗羅の兄で、生徒会長を務めています。また、主人公を除いて唯一のネームド男キャラでもあります。

文武両道かつ人格者、さらに生徒や教師からも慕われ、なおかつギャグもできるという全く非の打ち所がない完璧な人物……のように見えますが、実際は他のヒロインと同じく「主人公」、「プレイヤー」が存在するこの世界の構造に大きな影響を受け、人生が一変してしまった人間の1人です。
特に彼の場合は元々主人公という立場にあったので、考え方……というか全てにおいて影響を受けていると言っても過言ではないでしょう。
それ以外は妹である天笠麗羅を溺愛するシスコンを極めた兄といった感じで、基本気持ち悪いです(笑)。

シリアスな部分もギャグな部分も全部ひっくるめて気に入っているキャラなので、主人公として活躍してた時期もゲーム化してほしい(願望)。
『柏崎鈴名』
体育祭実行委員副委員長。ヒロインたちと比べてキャラデザが地味であまり華が無く、性格も感性も普通のいわゆるサブキャラです。僕は先ほど夜龍院瑠衣がヒロインとは思っていなかったと言いましたが、鈴名こそがそのポジションだったというわけですね。

……というのが序盤での彼女の行動を見た僕の感想だったのですが、物語が進んでいくと想像以上の重要人物ということが分かります。あくまでサブキャラの1人という立ち位置なのは変わらないものの、ルートによって主人公との関係性が大きく異なるのが面白いところです。

『学園長』
学園長。本名は不明。序盤における最大の敵であり、ことごとく主人公たちの邪魔をしてくるため、かなりヘイトを集めるキャラです。聞く耳を全く持たない上、学園長という立場から生まれる発言力の高さによって、どんどん周囲を味方につけていくその手腕は敵ながら天晴れとしか言いようがありません。

……とまあ序盤を見るとおそらくこんな感じの印象を抱くと思われます。不快に思われる方が大半なのではないでしょうか。断言しましょう。間違いなくこの印象は覆ります。最初の印象を保ったままこの『ハッピールートを終わらせて』をクリアすることは不可能です。
じゃあ実は良い人なのかって?……別に僕は良い方向に覆るとは言ってません。これより下は無いと思っても、案外底っていうのは奥深くにあるもんなんですからねぇ……。
気になる人は自分の目で確かめてみてくれ!
『プレイヤー』
おっと……この登場人物を忘れてはいけませんね。『プレイヤー』です。ただ、少々厄介で分かりにくいかもしれませんので、面倒だったら読み飛ばしてもらっても大丈夫ですよ!
さてプレイヤーとは、もちろん普通に考えればこのゲーム『ハッピールートを終わらせて』をプレイしている、あるいはプレイしていた人物を指します。
しかし、ここでいう『プレイヤー』とは、特定の人物に視点を合わせることで、その人物が見聞きした内容を把握できる存在のことを指します。そして、『プレイヤー』が視点を合わせた人物こそが『主人公』になるのです。裏を返せば『プレイヤー』がいなければ『主人公』は存在しないということですね。
まあそんな感じのプレイヤーなのですが、主人公『赤羽氷河』からはかなり好意的に思われています。

プレイヤーがいるから死の運命を覆せる、居てくれると心強い、などなどとにかく褒めてくれるのです。まあ褒めてくれるのは悪い気はしないんですが、プレイしてみるとこう思うでしょう。「いや、自分は何もしてないよ……」と。
そう、本当に何もできないんです。主人公やヒロインたちが悲しんで苦しんで絶望していたとしても、何もできない。たとえ画期的な考えが思い浮かんだとしても、それを伝えることもできない。できることは、ただただ見守ることだけなんです。
凄い褒めてくれるからその好意に応えたいのに、何もできない。だから、何もできなくて申し訳ないという気持ちが溢れてきてしまうんですよ。主人公たちが直面する絶望とはまた異なる絶望……救いの手を差し伸べることすらできない絶望がプレイヤーを襲うのです。
でもその感情こそが『ハッピールートを終わらせて』の醍醐味だと思います。『主人公』≠『プレイヤー』だからこその斬新な体験を味わえるはずです!
ゲームをクリアした感想
ここからはゲームをクリアした感想でも語っていきましょう!
この作品の面白かったところは、やはり希望と絶望の落差が激しすぎるところです。上手くいくのか?と思いきや絶望させてくることがとてもとても多く、はっきり言って辛すぎます……。心が何度も挫けそうになる主人公を見て、何もできない自分に歯痒さを覚えてしまうのです。
特に序盤と終盤がね……絶望に次ぐ絶望がとめどなく押し寄せてきて、もう心が保たないから辞めてくれよと何度思ったことか……。
そんな感情のジェットコースターみたいな本作ですが、だからこそ面白いと思いました。そこまで感情移入できるということは、登場人物一人ひとりが生きているかのように感じられるほど、物語が作り込まれているということだからです。
あとは、細かいんですけど雰囲気がいいのもポイントが高いと思います。特にBGMが良い。不穏な場面で流れるBGMのおどろおどろしさが心をざわつかせますし、何よりもスタート画面の切なさ全開のBGMがもう泣かせてきます……。全てが終わった後に聞くと、感情がぶっ壊されそうになるんですよね……。
他にも、主人公の成長、登場人物たちの意外な一面、物語の結末など、月並みなまとめ方だけど人が作品に対して求める面白さが全部詰まっています! マジで面白いのでぜひやろうすぐにやろう!(圧力)
終わりに
さて、長々と語ってきましたが、そろそろ締めに入るとしましょう。
『ハッピールートを終わらせて』。この不吉なタイトルを冠するゲームは、一体どのような結末を迎えるのか。ハッピーエンドなのかバッドエンドなのか……気になりますよね?
それを手っ取り早く確かめたいなら、ネタバレを見ることをオススメします。過程を踏まずに結末だけを知っても、きっと感情が揺さぶられ面白いと感じるでしょう。結末を知った状態でゲームをプレイしたとしても、かなり楽しめるはずです。
しかし。もしあなたが僕と同じくらい感情を揺さぶられたいのであれば。『ハッピールートを終わらせて』の世界に登場人物として入り込むことを強くオススメします。
あなたが『ハッピールートを終わらせて』の世界にプレイヤーとして参加し、そしてその役割を終えたとき、あなたがどんな想いを抱いたのか。プレイした人はぜひ教えてくださいね!
現在はPS4、PS5、Nintendo Switch で販売されていますが、Nintendo Switch2やSteamでも販売予定だそうです! 価格はどのプレイ機器でも4000円未満! 昨今では9000円近くは当たり前のゲームに比べればとても安いのでぜひやってみてください!
パッケージ版
3,960円(税込)
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